地獄八景亡者戯
じごくばっけいもうじゃのたわむれ上方屈指の大ネタ。地獄めぐりの長講
あらすじ
食あたりであっけなく死んだ男が、あの世への長い旅に出る。冥途の道中は花や店で賑わい、三途の川を渡れば、先に亡くなった知り合いや芸人たちでにぎやかな冥途の街が広がっている。やがて亡者の一行は、閻魔大王の待つ地獄の入り口へと進んでいく。
ここが聴きどころ
冥途や地獄を、まるで盛り場のように賑やかに描く上方落語屈指の大ネタ。当世の噂話や芸人の名を自在に盛り込む「冥途の人物月旦」など、演者が思う存分に遊べる場面が満載で、たっぷりと聴かせる長講です。
オチ(サゲ)の型
地口オチ。地獄の奥で繰り広げられる亡者たちの大騒動を、言葉遊びで景気よく結びます。全体が挿話の連なりでできているため、演じる長さも織り込む話題も、演者や高座によって大きく変わるのが特色です。
▼ サゲ(オチ)を見る ※ネタバレ注意
サゲは地口オチ。地獄の見世物である人呑鬼に呑み込まれた亡者たちが、鬼の腹の中で暴れ回って鬼を弱らせ、最後は言葉遊びで軽妙に落とす。長講ゆえ、結末や締めの言葉は演者・演出により異なる。
意味・元ネタ・豆知識
上方落語を代表する長講の大ネタで、桂米朝が丹念に復活・整備したことで広く知られる。冥途や地獄を陰惨にではなく、当時の盛り場や芝居町のように賑やかに描くのが眼目。噂の有名人や流行りを織り込む場面は、演者ごとに中身が入れ替わる。