猫の皿
ねこのさら骨董の目利きの化かし合いを描く小品
あらすじ
諸国を回る骨董の目利きが、街道筋のさびれた茶店で、猫の餌入れになっている皿にふと目を留める。見ればそれは、値の張る名品。素知らぬ顔で茶店の親父に「猫を買い取りたい」と持ちかけ、「ついでにその汚い皿も」と、ただ同然で手に入れようと算段する。ところが親父は、皿だけは決して手放さないと言う。
ここが聴きどころ
高価な皿を二束三文で掠め取ろうとする目利きと、その魂胆をとうに見抜いている茶店の親父との、すました顔の下での腹の探り合い。淡々としたやりとりの底で交わされる、玄人どうしの化かし合いの妙が聴きどころです。
オチ(サゲ)の型
考えオチ。皿の値打ちを知らぬふりで安く得ようとした目利きが、実は一枚上手の親父にすっかり出し抜かれていた、という皮肉な逆転で落とします。短い一席のなかに、商いの機微をきりりと利かせた構成が眼目です。
▼ サゲ(オチ)を見る ※ネタバレ注意
サゲは考えオチ。なぜ高価な皿を猫の餌入れに使うのかと問うと、親父は「こうしておくと、猫が時々三両で売れるんで」と答え、皿目当ての目利きこそが逆に手玉に取られていたと落とす。
意味・元ネタ・豆知識
「絵高麗の梅鉢」など、具体的な名品の名を挙げて語られることが多い。目利き(鑑定人)が地方で掘り出し物を安く買い叩く商いを、逆に田舎の親父が出し抜くという、騙し合いの機微を描いた小品。噺全体が二人の腹の探り合いで進む。
代表的な演者
五代目柳家小さん柳家小三治