皿屋敷
さらやしき上方=播州皿屋敷/江戸=お菊の皿
あらすじ
皿を割った罪で手打ちにされ、井戸に投げ込まれた女中・お菊。夜な夜な井戸から現れ、恨めしげに皿を『一枚、二枚』と数える——。町の若い衆はその幽霊を一目見ようと肝試しに出かけるが、お菊があまりの評判になり、見物客で連日の大にぎわいになってしまう。
ここが聴きどころ
背筋の凍る怪談として始まりながら、いつしか幽霊お菊が“町の人気者”になっていく可笑しさが聴きどころ。『九枚まで聞くと命がない』というお約束をめぐる、緊張と笑いの落差を楽しむ一席です。
オチ(サゲ)の型
怪談を笑いに着地させる『考えオチ』の名品。幽霊お菊が皿を数える“お約束”を、最後にひとひねりして肩透かしのように落とします。ゾッとする怪談の枠組みが、するりと笑いへ転換するところが最大の見どころです。
▼ サゲ(オチ)を見る ※ネタバレ注意
サゲは、皿を数えるお菊が、ある晩だけ普段より多く数え上げる場面。その理由を問われて答える一言で、怪談を拍子抜けの笑いに落とす“考えオチ”です。演者により数の言い回しが変わります。
意味・元ネタ・豆知識
元になったのは、家宝の十枚一組の皿を一枚失った女中お菊が手打ちにされ、井戸から現れて皿を数えるという『番町皿屋敷』『播州皿屋敷』の怪談です。上方落語では『播州皿屋敷』、江戸では『お菊の皿』とも呼ばれます。おどろおどろしい怪談を、見物人でにぎわう見世物に見立てて笑いに変える“滑稽仕立て”が落語版の持ち味で、桂枝雀らの熱演で知られます。