妾馬
めかうま別名「八五郎出世」
あらすじ
長屋のお鶴が、その器量を見込まれて殿様のお部屋様(妾)となり、世継ぎの若君を産む。めでたい話に、乱暴者で口の悪い兄・八五郎が屋敷へ呼び出される。武家のしきたりなど知るはずもない八五郎は、慣れぬ御殿でとんちんかんな振る舞いを繰り返す。
ここが聴きどころ
無作法で騒がしい八五郎が、妹お鶴との対面でふと見せる不器用な情愛と、酒の勢いにまかせて殿様へ語る本音の述懐が、この噺の白眉。豪快な笑いのなかにほろりと涙をにじませる、人情味あふれる一席です。
オチ(サゲ)の型
本来は八五郎が武士に取り立てられて馬に乗る後半までを含む出世噺だが、多くの高座は妹への述懐の場でサゲる。演題「妾馬」はこの後半に由来し、通し上演のときは軽妙な地口で締めくくる構成になっている。
▼ サゲ(オチ)を見る ※ネタバレ注意
サゲは、侍に取り立てられた八五郎が慣れぬ馬に乗せられ、馬を御しきれずに駆け出してしまう場面。「どこへ行く」と問われて「馬に聞いてくれ」と落とす。多くの高座はこの後半を省き、八五郎の述懐でしみじみと締める。
意味・元ネタ・豆知識
お部屋様(妾)が世継ぎを産めば、実家までもが引き立てられた武家社会が背景にある。演題「妾馬」は、出世した八五郎が馬に乗る後半に由来するが、実際の高座では妹への述懐で切ることが多く、通称「八五郎出世」でも親しまれる。
代表的な演者
五代目古今亭志ん生三代目古今亭志ん朝