寝床
ねどこ旦那の素人義太夫をめぐる道楽噺
あらすじ
義太夫に凝った大家の旦那が、店の奉公人や長屋の連中を集めて、自慢の語りを聞かせようとする。ところが下手の横好きで、皆その義太夫が苦痛でならず、あれこれ口実をつけては逃げ回る。誰も集まらないと知った旦那は、すっかりへそを曲げてしまう。
ここが聴きどころ
何としても語りを聞かせたい旦那と、何とかして逃げ出したい一同の攻防、そして機嫌を損ねた旦那をなだめすかす番頭のやりとりが見せどころ。素人義太夫という旦那衆の道楽を軸にした、賑やかで人の好い一席です。
オチ(サゲ)の型
演題「寝床」そのものにかかる地口オチ。逃げ回る一同を相手にした騒動が、最後の一言でくるりと演題に響き、あっけらかんと落ちます。旦那の道楽と長屋の迷惑が一本の線でつながる構成が聴きどころです。
▼ サゲ(オチ)を見る ※ネタバレ注意
サゲは地口オチ。旦那の義太夫から逃げ遅れた小僧の定吉が一人だけ泣いており、感心して泣いていると思った旦那が理由を問うと、旦那が語っているその場所こそ「わたしの寝床です」と落とす。演者により細部は変わる。
意味・元ネタ・豆知識
義太夫は竹本義太夫が始めた浄瑠璃の一流派で、素人が芸事として熱を上げる「素人義太夫」は、江戸の旦那衆の代表的な道楽だった。下手な語りを延々と聞かされる奉公人や店子の難儀を、可笑しみたっぷりに描く。上方・江戸の双方で親しまれてきた。
代表的な演者
六代目三遊亭圓生桂米朝