たがや
たがや両国の川開きを舞台にした夏の噺
あらすじ
両国の川開き、花火見物で大混雑の橋の上。仕事帰りの箍屋(たがや)が担いでいた竹が、はずみで馬上の侍の笠を突き飛ばしてしまう。無礼者と激高する侍と、詫びを入れる箍屋のやりとりはこじれにこじれ、両者は一歩も引かぬ意地の張り合いになる。周りの群衆はやんやと囃し立てる。
ここが聴きどころ
追い詰められた箍屋が腹を据えて侍に浴びせる啖呵と、それを「たがや!」と囃し立てる群衆の高揚感。夏の夜空に上がる花火を背景に、江戸っ子の意地が炸裂する痛快な一席です。
オチ(サゲ)の型
地口オチ。夜空に上がる花火の情景と、花火に掛ける景気のよい掛け声とを重ね合わせ、群衆の熱狂に乗せて痛快に落とします。侍と箍屋のどちらが討たれるかは、演者や演出によって大きく変わります。
▼ サゲ(オチ)を見る ※ネタバレ注意
サゲは地口オチ。争いの果てに宙へ舞い上がる首を花火に見立て、見物客が花火屋への掛け声「たまや」「かぎや」になぞらえて「たがや〜」と囃して落とす。庶民の箍屋が侍を討ち取る痛快な演出と、逆に箍屋が斬られる演出の双方がある。
意味・元ネタ・豆知識
両国の川開きは旧暦五月末、隅田川の花火で夏の到来を告げる江戸の一大行事だった。「たがや」は桶や樽の箍(たが)を締め直して回る職人のこと。花火が上がるたびに「たまや」「かぎや」と屋号を呼んで囃した習わしを、サゲの言葉遊びに使っている。
代表的な演者
三代目三遊亭金馬立川談志